【本気で願ったら異世界に来れちゃった件】9話
9話1節
火龍火山到着である。
魔法の絨毯から降りた一行
涙と鼻水でベトベトになって横たわるぱんだ「ひどい…酷すぎるっす」と言った後もずーっと泣いている(しどぃ、しどすぎるぅ、しくしくしく)
ウェンディがバツが悪そうにぱんだに近寄り膝枕で回復をかける「いや、その、妾にも失敗はあるのだ、すまんなぁ、まさかシールドから頭が出てしまっていたとは…。」
膝枕で回復魔法をかけてもらっていたぱんだであったが鼻血を凄い勢いで「ぶばっ!!」と大放出してグッタリしてしまった。
悲しんでいたぱんだであったがセクシーなウェンディの膝枕と言う棚ぼたに興奮しすぎた結果であるのだが、それを分かっていないウェンディは回復魔法をかけているのに鼻血を出しグッタリ状態のぱんだを見てアタフタしている。
まとま「ふぅ〜、暑い!」
ばってん「…この暑さはヤバいね。」
みやび「僕は寒いより暑い方がいいですけどねぇ」
みんなジリジリとくる熱さに汗をかきながら言う。
あっ!とその話で思い出したようにウェンディが水の妖精を呼び出し
炎耐性のあるクライン以外の一人一人につけていった。
水の妖精さんが付いた瞬間から
熱さがなくなり通常になり、むしろ涼しくなった。
結界を見ていたクラインがやる気マンマンモードで腕をグリグリと回しながら言う。
「さぁ、着いたなぁー!!
火龍火山も本当はダンジョンに潜って神殿の火山に入るがここもショートカットで行かせてもらうか!」
ウェンディが慌てて
「妾がおるから念話で炎神と…」
と、いいかけたところで。
上空の結界の内からスーッと外に浮遊しながら出て来た筋肉隆々の大柄の和装の男が険しい顔で言う。
「まさかと思って来てみればやはりお前か、変な気配がすると思ったわ。しかも、魔法で結界を破ろうとしておったな?相変わらず、かわっておらんのバカ弟子よ。」
クラインが上空を見上げて嬉しそうに叫ぶ!
「師匠!ご無沙汰しております!!」
ウェンディも続いて
「炎神、久しいな!このものたちの修行もお願いしに一緒に参ったぞ!!」
と、まとまとばってんの肩に手を置く。
炎神「水神、本当に久しいな…分身体を置いてきたか、よくここまで来たな。」
炎神とウェンディが見つめ合ってウェンディが少し赤くなっている。
キバ「龍神たちって仲悪いとか言ってなかったっけ?!」
まとま「ん、なんか聞いてのと違うね」
ばってん「そういうのは察してあげて。」
みやび「ロマンスですなぁ〜」
キバ「ロマンスってなんだ?!」
みやび「こういう2人の状態がロマンスなんですよ」
ばってん「そういうのもそっと察してあげて」
2節
こんなところではなんだと言うことで
炎の神殿に招いてもらうことになった。
炎神が手を前につき出すと大きな炎の球体で全員を包みこんで一気に移動させた。不思議と熱さは全くなかった炎の熱さの調整とかできるのかとか移動手段にも使えるのかと「はぇー」とまとまが関心していた。
大広間に迎えられ大きなテーブルに緑茶が置かれ和菓子が置いてある。
まとまとみやびが喜んで早速もぐもぐしている
まとま「お茶とあづきのおまんじゅうが食べれるなんて!」
みやび「お茶は玉露みたいですよっ!餡子甘すぎず上品な甘さで最高にうまっす」
炎神がその様子をチラリと見た後
「クラインがここに戻って来たと言うことは強敵が出現したと言うこと、そして水神がここに来るという非常事態にまとまの肩に乗っている者の異質さ…詳しく説明してもらおう。」
ウェンディが頷きこれまでのここまで来た経緯など要領よく話を説明してくれた。
架空のものだと思われていた昔話しに出てくる闇の者が本当にいて、すでに一戦交えている。
まとまの肩にいるキバは闇の者そのもの本人なので魔の者の実在は疑いようがない。
しかも、人間側の味方、、、。
闇の者が今、人間界というか地上に上がって来た、攻めてきた?!目的など不明であるが今のところキバが送られて地上の一部を吸収しようとしていた事実はある。
対峙したリーベと言う闇の者の強さは半端なく強い。
キバの力なしでは追い返せなかったであろう。
リーベいや闇の者達に対抗すべく
みんなのチカラやスキルの底上げが必要で火龍火山に来たと言うわけか。
本当はギルドメンバー全員の底上げが必要であるが急にはムリな話しでひとまず、クラインが来るつもりであったがこのパーティになったと。
炎龍の神殿は鍛えたい者の修行の場で道場を開いている、クラインもここの道場で修行していたのである。と言うことで
それぞれの能力を伸ばせるところは伸ばし、弱点を克服するなどそして基礎の鍛錬をし、それぞれの目標にむけて修行することに決まった。
リーベとの再戦のために短期の修行
みんなやる気になっていたが
ぱんだは自分は移動の係で戦闘には向いてないので「修行は結構です」と断ったのだが、空間スキルは貴重かつ使い方によっては戦闘でもかなりの戦闘力になり、しかもその能力から1番最初に狙われるのだぞ?と炎龍から一喝され1番しごかれることとなった。
団長恨みますと言って諦めたようだ。
3節
それぞれの特訓メニューに入る前に
全体の基礎を磨くことになった。
体力や魔力の向上になるという。
少林寺の修行場で観たような感じで
ほぼ全員が広場に整列し体操や武道の型などを覚えストレッチやカラダの動き再認識などを行い、またその中でスキルも習得していくのようである。
ここ火山の環境下で普通に過ごすために最初に会得するスキルは【心頭滅却】である。
このスキルを覚えることで過酷な暑さの環境下でも加護のない状態でも普通に過ごすことができるようになるのだ。
と、言うことで基礎からの修行開始である。
服装は自由だが動きやすいように
道着が用意されていた。
道着の着用は自由のようであるが
ほとんどの者が道着を着ている。
まとまはこういうのは大好きなのですぐに着替えた。
ばってんはそういうのは着なさそうと周りは思っていたのだが、本人は異世界っぽくなってきたと楽しそうに着替えたらしい。
みやびも「これは着るしかないでしょ!動きやすそうですし、むしろありがたいです。」とノリノリ。
ぱんだは「え?みんな着替えるの…
みんな着替えるなら着替えようかな
服汚れるのやだしと。」
シブシブ着替えていた。
少林寺のような道着はどこぞの流派の道着に似ていて、転移組の3人のテンションは駄々上がりである。
全員総出の整列での
体操にストレッチ、型を終えて
それぞれの力量を測るため
炎神こと炎龍が直々に相手をしてれることになった。
しかもなんでもアリで胸を貸してくれると言うのだ。
まず、最初にみやびが緊張した表情で道場の舞台に上がる。
ばってんが道場の端に来て「なんでもアリと言うことなんですが付与かけます?」とコソッと言う。
「ばってんさんありがとうございます。なんでもアリですが自分の力試しなので大丈夫です」
と、言って炎龍をグッと見据える。
ばってんはふっと微笑んで
「ですね、無理はしないでください。」
みやびは振りかえらず言う。
「はい!頑張って来ます!!」
炎龍がニヤリと笑い言う。「いいのか?よいのだぞ?」
みやび「大丈夫でッス!!」
みやびが舞台に上がる。
4節
みやびが舞台に上がる。
開始合図のドラがドォォオンと鳴る。
2人が対峙して見合う。
みやびが体にグググっと力を入れて身構えている。
「来なければ行くぞ!」と炎龍がみやびとの距離を詰め、炎龍は正拳突きから蹴りの組み合わせ連続技を繰り出す。
避けることなく防御してしっかりとガードするが連続技のさらに連続技で攻撃が止まらない!焦るみやびはアイアンシールドを出して防ぐ。
「ほぉ、シールドスキルか…さて、どれくらいのものか、試させてもらおう」と、炎龍は嬉しそうに言う。
炎龍の拳が炎を纏い攻撃力があがったのがわかる。パンチでの怒涛の連続攻撃にとどめの右フックがアイアンシールドを砕く!!
その際に一瞬、炎龍に隙ができた。
炎龍がカウンターか?!と思わせるタイミングがあったが、みやびは攻撃をせずさささっと距離をとり、そして守りを固めて相手の様子を探っている。
炎龍が片手を突き出しファイヤーボールを撃つ!
みやびは両手を地面に置いてサンドウォールを出してファイヤーボールを防いだ。
そのまま連続で土魔法を唱える
「サンドロック!!からのーサンドプリズン!!!」
炎龍の足の甲に砂の輪っかで固定され、
周りから砂の壁が出現し取り囲んだ。
みやびはやった!とガッツポーズをとろうとしたが、中から声がする。
「捕獲魔法か、悪くないが耐久性はどうかな?」
言い終わるとサンドプリズンごと炎の円柱が舞い上がるっ!!
炎がバッと消えたと思ったら腕組みした炎龍が立っている。
砂魔法は跡形もなかった。
「ふむ」と頷き「なるほど、防御に徹するタンク役だな、しかし、まったく攻撃しないというのもな…大体わかった」といい。
「みやび、乱取りは終わりだ、次!ばってん舞台に上がれ!」
みやびは緊張がとけたのか尻餅をついてふぅーと息を吐いた。
ドドーンとドラがなりみやびの乱取りは終了した。
つづく