【本気で願ったら異世界に来れちゃった件】5話
5話1節
無事に冒険者カードを手にいれた3人はギルドのテーブルに座り
街の近くで一度、モンスターと戦いに行くかギルドのクエストをなにかこなすかと作戦会議中である。
軽く散策しながら初心者クエストもこなすもありだなとか話し合っていた。
クラインが部屋から出てきて一階に降りてきた、ギルドの中が、急に賑やかになる。
「団長っ!!また、やらかしたらしいねっ!!」
クライン「よぉ!やらかしてねぇーわ!未遂だっ!」
「ねぇさんにまた怒られてんだろ?!」
クラインを中心にギルドのメンバーが集まりワイワイと賑わう。
まとま「クラインさんってギルドで人気者なんだねぇ。」
ばってん「めちゃくちゃだけど人間的な魅力あるもんね」
みやび「戦闘の強さも凄いですし、さすがギルドマスターってとこですね、
昨日は知りませんでしたが、すごい人なんですねぇ、
ちょっと抜けたところもありますが…」
3人が昨日の戦闘を思い出して
顔を合わせ同じ表情で
「「「…。」」」
何故かうなずき、今日どうするかに会話を戻すのであった。
とりあえず、この世界のことやスキルや魔法などいろんなことを試したりしてみたいので、
街の近くのフィールドを散策してみようと決めて立ち上がったところで、
ギルドのメンバーに囲まれてワイワイしていたクラインに呼び止められた。
5話2節
ばってんが怪訝な顔で言う。
「なにか?」
クラインが焦り気味に
「おいおいおい!お願い事ではあるがそんな顔しないでくれ!!」
まとまがコソッとばってんに「どしたの?なんか急に冷たくない?」
ばってんもコソッと「まだ、この世界のことわかってないのに、やっかいごと…と言うか、
本当にちょっと落ち着いてクエストしたいんだよ」
と、真横にクラインがいる。
「やっかいごとだなんてぇ!我をそんな目で見ているだなんて、悲しいぞっ!ばってん!!」
オーバーリアクションでおよよと座り込む。
そしてシクシクと悲しいアクション。
周りのギャラリーがばってんとクラインを見つめる。
見かねたみやびが言う
「ばってんさん、とりあえず、話だけでも聞きましましょうか」
クラインの作戦勝ちのようである。
4人はテーブルに座り、クラインが話し始める。
結論から言うと昨日まとまのスキルを見て力を貸してほしいとのこと。
昨日披露したまとまのスキルは土を変形させ土台や山を瞬時に作り上げたものである。
この街の近くにミラーレイクと言う大きな湖ある。
その湖の恩恵を受け水や魚が豊富に取れ潤っている。だが、湖が近いことでの弊害もある。
雨季による水害があり、洪水が起こることもしばしばあることらしい。
で、また、雨季の時期が近づいてきているので対策をギルドが請け負ったようでなのである。
普通に土台を作れれば話は早いのだが、
ミラーレイクには龍神の水神様がおり、許可得てからでないとダメらしい。
クラインさんとは面識があるので一緒に行ってほしいと言う話だ。
人助けというかこれからしばらくお世話になる街なので3人は協力することにした、
行く事が決まった途端に
「さぁ、急いで行くぞ!!」
と、3人を急かし、何故か焦り気味のクライン。
皆が席から立ち上がろうとした時
「ちょっと待ったぁーーー!!!」と叫ぶ声が聞こえた。
5話3節
クラインがビクッとなって
「げっ!やばっ!」と、声を漏らす。
その声は2階から聞こえた。
しらたま姉さんが腕組みをしてクラインをグッと見下ろしてる。
「今日は街の魔法結界を貼り直す予定でしたよね?!ミラーレイクも大事ですが順番があると言ってましたよね?」
眉毛をヒクヒクさせながら言う。
クラインが小さな声で言う。
「アレさぁ〜魔力ゴッソリ持ってかれるから、すごい疲れるからやなんだよなぁ〜。」
しらたまが鬼の形相で目を光らせ
「その大層な魔法結界を壊した張本人が言うセリフかぁーーー!!!!」
といって2階から飛び上がりクラインめがけ飛びかかる!!
スッとクラインの後ろに降りて
首を絞め技で決める
クラインはたまらずホールドされたしらたまの腕にパンパンと2回叩きギブサインを送る
見事な手際に周りが((おおお))とどよめく。
クラインはケホケホと咳をして「参った!わかった!結界張ってから行く、ふぅ。」
涙目のクラインは3人を見て「と、そう言う訳だ!」
まとま、ばってん、みやびが
「「「どーゆー訳だwww」」」
と、3人が同時に突っ込んだ。
ばってんはしらたまを見つめ(あのクラインさんを秒殺で締め上げるなんて、この人も相当の強者だ)と思っているところを見られているしらたまがそれに気づきばってんを見て微笑んだ。
その微笑みを一緒に見て後ろにいたみやびがうっとりした。
5話4節
と、言うわけで、拘束されクラインはしらたまと共に魔法結界を張りに行ってる間に、
ミラーレイクまで散歩がてら向かう事にした。
クラインからは水神様は気難しい方らしいので
クラインが行くまではいらぬことをしないように言われた。
歩いている道中街の空中にクラインとしらたまがいるのを
見たまとまが「はぇ〜2人とも空中に浮いてるよぉ〜!」
ばってんが「ほぉ、あれは魔法かスキルかわからないけど習得したいね!」
みやびも目をキラキラさせながら「空を飛ぶ、空中に浮くってロマンありすぎですよねぇ〜」
ミラーレイクに着くまで空を飛ぶ話題で盛り上がった。
まとまは、その道中で枯れた木や石などクラフトで使えそうな材料も
しっかり異空間ポケットに収納して行くのだった。
到着したまとま達は綺麗な湖を眺めてテンションが上がっていた。
まとまのテンションが上がっているのが目に見えてわかる
「湖といえば!ボードでしょ!!と言う事で作りまーす!さっきたくさん木を手にいてれたそれと」
ふふんと鼻歌を鳴らしながらまとまはさらにスキルで周りに落ちている枯れ木や木材をゲットしスキルで木のボートを作り上げた。
「みやびさんも一緒に乗れる仕様で大きめの舟にしました!」
みやびはニッコリ笑顔でオールを受け取り「お任せください」と舟に乗り込んだ。
のどかな時間が流れる。
まとまがぼーっと遠くを眺める
「はぇー凄い綺麗な湖だねぇー」
ばってんが湖の水の中を覗き込む
「凄い透明度だねぇーさすがミラーレイクと名前がつくくらいだもんね」
みやびが漕ぎながら
「こういう自然いいですよねぇー、心が洗われますねぇー」
と、3人がほっこりしつつ。
まとま「クラインさんどれくらいで来れるのかなー、魔法結界の時間聞いておけばよかったねー」
みやび「水神様に会うには決まったルートがあるらしいですからね」
ばってん「それにいらぬことをしないようにって言ってたけどいらぬ事とはなんだろう、騒いだりとかかな?」
と、話をしているとツツーっと徐々にスピードが上がって、次の瞬間、ボートが湖の真ん中に向かって凄い勢いで進みだす。
「みやびさん早く漕ぎ過ぎです!!転覆しちゃう」と舟の端にしがみつきまとまが叫ぶ。
と、みやびがオールを上に上げた状態で「僕、漕いでません!勝手に動いてます!!」
ばってんが湖の真ん中を見て「なにかに吸い寄せられてる?んんん?!湖の真ん中に穴が空いてる?!水がない場所があるよ!しっかりボートに捕まって!!」
3人とも舟に必死にしがみつた。
6話へつづく