【本気で願ったら異世界に来れちゃった件】10話
1節
みやびが礼をして舞台をおり、ばってんと交代する。
軽くポーンと飛んで、舞台に上がったばってんは屈伸したり、トーントーンと軽くジャンプした後「よし!」と気合を入れた。
ドラが勢いよく鳴るドォォーン!
ばってんは速攻で自分に付与のスキルをかけ身体能力を大幅に上げる。
まず、牽制のファイヤーボールでをまず1発炎龍に向かって放つ!
そのファイヤーボールに追いつく勢いで詰め寄り、炎龍がばってんのファイヤーボールを弾いた直後すぐにばってんのパンチの連打からのハイキックの攻撃を繰り出すが、軽く炎龍にガードされる。
炎龍が「ふむ、いい動きだ、ちゃんと武道の動きを学べばもっと良くなる。後、攻撃方法を考えているな、いいことだ、だがファイヤーボールの打ち方が雑だな。」
ばってん言われた助言をうんうんと頷きながら呟く「魔法の打ち方とか考えたことなかったな…魔法は魔法だと…」とぶつぶつと独り言を言ってなにか思いついたばってんは炎龍に「あのちょっと思いついたことが、あるんですがまとまに作ってもらってそれを使ってよいですか?」
炎龍「ふむ、なんでもありだと言った以上オッケーだ!」
ばってんは舞台の端にいるまとまのところまで駆け寄り話しかけるとまとまにクラフトでなにかを作ってもらっていた。
まとまから受け取ったものをしっかりと装備してドーンと仁王立ちし、ウシシと笑う。
その手にはグローブに野球のボールを装備していた。
ザッと構えて野球の投げるフォームをとると同時にファイヤーボールを唱える、持っているボールが炎を纏い勢いそのままに炎龍に向かって投げる!!
直線に炎の残像の残しながら
凄い勢いで炎龍に向かうが
炎龍がスッと横に無駄のない動きでかわす。
ばってんがニッと口角をあげ
普通のファイヤーボールを撃つ!
その後、直ぐに2球目のボールで
野球ファイヤーボールを重なるように撃つ!!
1球目の野球ファイヤーボールが壁にあたり跳ね返って炎龍の後ろから襲いかかる!!
ドドドーンと3つのファイヤーボールの衝撃音とともに煙で周りが見えなくなっている。
スーッと煙が収まって炎龍の姿が見える
両手には炎の消えたボールが握られている。
炎龍はニッと笑って「いい攻撃だ。
楽しませてもらった、ここまでだ」といい
ドラがドドーンと鳴って
ばってんの乱取りは終了した。
次はまとまwithキバである。
2節
まとまとキバは
戦闘で基本常に一緒であるので
ペアで乱取りである。
まとまはグッグッと体を伸ばしてストレッチをして、ポッケからスッと大きめのピコピコハンマーを取り出す。
そして肩の上でまとまの真似をしてストレッチしているキバに話しかける
「いつも通りキバちゃんは魔法系の防御よろしくね!」
キバは自慢げにフフンと鼻をならし「任せろ」と親指をたてた。
炎龍がでは始めるぞと手を挙げると
ドラが軽快になるドーンッ!!
「まとま行きまーす!!クラフトッ!」
と言った後凄いスピードで炎龍との距離を詰める!!
まとまが立っていた場所にバネが見えた。
炎龍がほぅと口角を上げる。
まとまは大きなピコピコハンマーを振りかぶって、勢いを止めないまま炎龍に振り下ろすが後ろにかわされた、ピコピコハンマーの可愛いフォルムの片面が地面に着くとドゴっと床が割れる!!まとまはすぐにクラフト!と唱え炎龍の足元に足枷の罠を作るがさらにスッとかわされ、焦って一気に距離をとるまとま。
炎龍は笑みを浮かべ「ふむ、面白い攻撃だ。いいぞ!」と戦闘をまた楽しんでいるようだ。
地面に手を置き3台のバッティングマシーンを一気にクラフトし炎の魔力を注入する!
それぞれから炎のボールが放たれる
まとま「くらえっ!ファイアーボール連弾っ!!!」
炎龍「ばってんからアイデアを得たか(笑)」
と、手を横にファイヤーボールごと払う。
そして炎龍は手をまとまの方に突き出し
10連続でファイヤーボールを凄いスピードで放ったがあっという間にキバがそれを吸収してしまった。
キバが自慢げに言う「俺たちには魔法は効かないのさ!!」
「キバ…お前に関しては色々と知りたい事が多い…試させてもらうぞ!」とキッと真面目な顔なり炎龍がグッと構え魔力を込める。
なにかを感じたクラインが焦って炎龍に叫ぶ「師匠っ?!それは!!」
キバもなにかを察知してまとまの前にでる!「まとま離れろ!コレはマズイ!!」
「バーストフレアレーザー!!」
細長いレーザーのような高出力の炎がキバに直撃する!!
キバはいつものように魔法を吸収している!!いるのだが一気に吸いきれずにいる。
魔力を吸収し続けるキバがウグググッと声を漏らす。はじめての攻撃にかなり戸惑っている。
炎龍がニヤリと笑い
「ここまでの高出力の魔力を一気に吸ったことはないだろう!さすがに身動きとれんようだな」
と、さらにまとま向かってファイヤーボール連弾を撃つ。
魔法防御はキバがいつもしていたので、回避も辿々しい感じである。
まとまが「わわわっ!!」とファイヤーボールを避け切ってホッとした瞬間に目の前に炎龍の拳が見が見えて寸止めで乱取り終了である。
キバもようやく吸収し終わり
「ふぅーこんなの初めてだ、激辛な魔力を吸わされてるようだった。」
炎龍は腕組みをして言う。
「キバ!お前は悪いやつではなさそうだな。そして無敵に見える魔法吸収にも弱点がありいろんな戦いがあることを覚えしっかりまとまを守れ、まとまもキバに頼りすぎず、慢心せず、魔法防御もしっかり修行しろ!」
終了のドラがなるドドーン!!
3節
炎龍が腕を肩に持っていきストレッチしながら言う「よーし!次!ぱんだっ!!いってみようか!!」
ぱんだが「ふぇ?!」変な声を発して後ずさる。
「え、あれ?だって、僕は、その、まだ、これから修行を始めると言うだけで、またちょっと強くなってからということで、今度の機会で…。」
と、スタコラ逃げ始めるところをクラインに首根っこをつかまれ
「師匠から逃げることはできんよ、ジタバタせずに大人しく舞台に上がった方が身のためだ。ぱんだぁ、諦めろ」と言われ、大人しくなった。
「もう!ひどい!団長の嘘つきっ!!移動要員だけって言ったじゃないですか?!移動中もひどかったし!なんかもういやだぁ〜〜〜!」
と、ジタバタするがクラインがそのまま舞台に放り投げた。
ギャンッと舞台上で尻餅をついてちょこんと座る。
ぱんだは目の前に仁王立ちする炎龍をみて「えっと、僕はなにをしたら良いのでしょうか。」
腕組みをしてぱんだを見下ろす炎龍
「お前の空間系のスキルはすごく貴重で重要性が高い、ゆえに1番に狙われ、奪われることが懸念される!だから、最優先に自分を守り、さらに味方を守ることが重要なのだ、強くなることも必要だが、1番はその力を奪われないことなのだ。その能力は極力秘密にすべきものなのだ。」
ぱんだは正座した状態
「あの、炎龍さんはすごく僕の事を貴重だとか言って下さいますが、団長からそんな扱い受けたことないっす。馬車がわわりぐらいにしか思ってないんじゃ。」
炎龍はぱんだに耳打ちするように近づいて言う。
「お前の能力の使い方、修行の仕方次第で闘い方によってはクラインにも勝てるのだぞ?」
ぱんだはそこ言葉にピコンと反応した。
「その言葉ホントっすか?!できるならこの不当な待遇を改善してもらうッス!!今の全力を見せてやるでやんす!!!」
バッと立ちが上がって変なテンションになってやる気満々である。
炎龍が手を挙げドラが鳴る!
ドォォーン!!
「スキル空間移動!」とパンダがスキルを唱えると足元に真っ暗な落とし穴のような空間が現れてスッとぱんだの姿が消えた。
炎龍が空間移動系は気配が消えるからやはり厄介だと思った瞬間に上空に突如ぱんだが現れた。「上か!」と炎龍が嬉しそうに言う。
「今のオイラの全力スキルっ!受け取って欲しいッス!!!スキルぜんっかい!!!」
ぽんっと音を立てて
とスキルを使用した直後ぱんだは名の通りぬいぐるみのような可愛らしいパンダに変化した。
パンダになったぱんだが空中から炎龍の腕の中にポスッと収まる。
「キュ?」と可愛いおめめで炎龍を見つめる。
ああ、ぱんだは今までのピンチはこうやって現実的からもこんな感じで回避してきたのだなぁ〜と思うとともに今、これじゃないでしょ?感とはじまってすぐ奥の手?早すぎんだよという思いがみんなをしばらく沈黙させた。
虚しく終わりのドラが遠くて聞こえる。
4節
クライン対炎龍
炎龍「さて、最後の乱取りを始めよう!あれからどれだけ強くなったか見せてもらおうではないか。外で勉強してこいとは言ったがギルドマスターになっているとはな。」
クライン「いやぁ、流れてそうなってしまったというか…。」
炎龍「強くなったか、ここからは拳で語ろうか…。」
炎龍が手を挙げドラが高らかに鳴り響く。
二人ともが距離を詰め突きと蹴りの連続攻撃をお互いに繰り出し合い受け止め弾き避けの攻防が繰り出される。
しかし、攻撃の手数は炎龍の方がほんの少し多い、徐々にクラインにダメージが入りだす。
ババっとクラインが距離をとるが、それを追うように炎龍がファイヤーボールを撃つ!
手刀でファイルボールを弾き、構えて笑みを浮かべるクライン。
炎龍も構え「受けて立とう」と一言。
お互いの魔力が上がっていくのがわかる。
【【バーストフレア!】】
バチバチと2つの魔法がぶつかり合う!!!
2つの魔法がぶつかり合い衝撃波が空中に舞う!
炎龍が結界を操作してバーストフレアの衝撃波の場所に空間を開け結界が壊れないよう防いだ「クラインよ、腕を上げたな!」「戦闘中に結界操作とは余裕ですね!師匠!!」と同時にまた、間合いを詰め、2人が拳を交える。
クラインがギアを上げ炎龍よりも攻撃のスピードを上げる、それとともに炎龍もスピードを上げ互角の攻防。
お互いに防御よりも攻撃を重視しはじめお互いにダメージが入り始め、2人が闘いにのめり込んでいくのがわかる。
2人ともが興奮して目の色が変わっている。
みんな固唾を飲んで見守る。
バッと距離をとり今度は炎龍が構え、クラインが受けて立つように構えた。
2回目のバーストフレア勝負!!
1回目と違いさらに強力な魔法が放たれるのがわかる。
2人ともが同時叫ぶ!
ダブルバーストフレア!!
2人とも両手でバーストフレアを打ち、強力な火力がぶつかり合い火花が飛び散る。
近くに飛んできた魔力の火花をキバが吸い込む。
「これだけでなかなか魔力量だな、そして美味い」と
満足そうに言う。
炎龍の方のバーストフレアの方が少し威力が強いようでジワジワと押している。
「ぬぁ!!」と気合でクラインが押し返す。
お互いに火力を上げる!!!
ウェンディが観客スペースに水のバリアを張り「二人とも熱くなりすぎるな!これは乱取りだぞっ!!」と警告するが2人とも聞こえていないようで。
さらにドンドン火力が上がる。
異常な熱量の上がり方に周りのみんなもヒヤヒヤしながら観戦する。
炎龍「かなり魔法の威力は上げたようだが」
クライン「まだまだ!」
炎龍「伊達にギルマスやっている訳ではないな!!!」
と、2人ともがさらに火力を上げる!
5節
2人ともさらに魔力を込め火力を上げつづける!
「これ以上はマズイ!!」とウェンディが立ち上がり「熱くなりすぎだ!この火龍火山ごと私たちも消し飛ばすつもりか!!」と炎龍とクラインに直接念話で叫び怒鳴った!
一気に正気に戻った炎龍とクラインが同時にヤバいと気付く。
炎龍が申し訳なさそうに
「クラインよ!すまぬ、ちょっと夢中になりすぎてやりすぎたようだ」
クライン「いえ、こちらも周り見えなくなってしまってました。さて、どうしましょうか?!これ(汗)」
炎龍とクラインの間にバーストフレアの魔力の塊の衝撃魔力玉がズゴゴゴと音を立て今にも爆発しそうである。
ウェンディがそれぞれに支持を出す。
「キバ!お前の魔力吸収でいけるとこまで吸収してくれ!まとまはキバを援護!」
キバがあいよ!と即取り掛かる。
一気に大きさが縮んだがそれでも
脅威的な威力があるのがわかる。
まとまがキバがダメージを受けないようクラフトで壁をうまく作る。
ウェンディ「水の魔法でなんとかしたいところだが強力なのをぶつけてしまうと水蒸気爆発を起こしてここが消しとんでしまう。
水の防御魔法で包み込む!
みやびも盾魔法で包んでくれ!
ばってんそれぞれに付与を頼む!!
バリアも薄皮かもしれんがないよりマシだ!」
「ぱんだ!空間・・」と、言いかけところで、腰を抜かしてアワワとなっている姿を見て、「安全確保しとけ!」と言いかえた。
ウェンディが炎龍とクラインに叫ぶ「タイミングを合わせて上空に放出させ、なるべく被害が出ないよう、出来るだけ高く上空へ打ち出せ!!」
魔力の放出は2人とも止めているのだが
その場に留めているだけで必死である。
炎龍の掛け声と共に魔力玉を上空に打ち出す!
魔力操作が一瞬遅れクラインの目の前までバーストフレアの魔力玉がギリギリのところで上空に撃ちだされる!!
撃ち出しと同時に炎龍が結界の一部開ける魔力操作をしようとしたのも虚しくあっという間に結界を壊して上空に上がった、そして爆発寸前だったのか予定よりも低い場所で大爆発を起こした。
どっごごごごおおおんん!!!!
と
もの凄い爆発音が鳴る!!
爆風でパンダがころころと転がる。
とりあえず、大きな被害でることなく終えてみなホッとした。
クラインの額が赤くなっている
アチチッとパタパタとあおいでいる。
終了のドラが、かぼそく「どぉぉん」と小さく鳴る。
すごい大惨事になる直前だったにも関わらず、明るい声が飛ぶ
炎龍「強くなったな!攻撃力はワシに匹敵するようになったのではないか?!」
クライン「いえ!まだまだ届きませんよ。あっ、あの収束バーストフレア教えてくださいよ!!」
炎龍「お前の魔力操作では無理だな!下位の魔法が打てぬようではな。」
クライン「なぜかファイヤーボールはまだ打てませんねー」
みんながふたりは似たものどうしだなぁ〜と呆れているとともに
一同が「「「「えっ?!」」」」
と団長がファイヤーボール撃てないの?と違う意味で驚いた。
まとま、ばってんとみやびはクラインと会った時に極大魔法しか使えんと言っていたが
本当に使えないのだと得意じゃないという意味でとっていたので一緒に驚いていた。
キバがパンパンになったお腹をさすりながら「刺激的でなかなか濃厚な魔力を頂いたぞ、もう少し時間があれば良かったのにな」と呑気なことを言っている。
炎龍とクラインが声を上げ笑っている。
ウェンディ「戦いでテンション上がりすぎておかしくなったか?」と眉をひそめる。
ぱんだは怖くてなにも出来ず腰を抜かしていたのだが安全だと分かって泣きながら笑っている。
なんだかよくわからないが、とんだ乱取り騒動で、その場いるみんな安堵して笑った。
とんでもない脅威が迫っていることも知らずに・・・。
11話につづく